ビジネスの専門家とされるコンサルタントの次にダメ出しするのは、経済の専門家とされるエコノミストである。その内、今回は経済アナリスト、次回は、勇気を出して経済学者にダメを出す。

経済アナリストは、経済を分かっていない

 何度でも言うが、事物の本質とは、事物から偶有性(個別の事物にたまたま当てはまるもの)を全て捨象する(捨てる)ことで得られるものであり、事物の本質を分かっていなければ、事物を分かっていることにはならない。

 そして、世の中のビジネスから偶有性を全て捨象すると、顧客に価値を提供して対価を得ることだけが残る。よって、ビジネスの本質とは「顧客に価値を提供して対価を得ること」であるが、古代ギリシャの頃から2000年以上も研究されてきたのに、その要素である「価値」の本質は、まだ解明されていない。

 だから、誰もがそうであるように、経済アナリストも価値を分かっておらず、よって当然ビジネスも分かっていないことになる。

 だが、それだけではない。

 世の中の企業から偶有性を全て捨象すると、「ビジネスマンという人間の集まり」だけが残る。故に、企業の本質とは「ビジネスマンという人間の集まり」であり、ビジネスを分かっていなければ、ビジネスマンを分かっていることにはならず、「ビジネスマンという人間の集まり」を分かっていることにもならない。よって、経済アナリストは、企業も分かっていないことになる。

 そして、ビジネスとそれを行う企業は経済活動の要であるから、ビジネスも企業も分かっていないということは、「経済を分かっていない」ことと言っていい。つまり、経済アナリストは、経済を分かっていないのだ。そんな彼らが経済の専門家であるわけがない。