谷川 そうですね、CDがこれから出てくるぞって時代で。店長の上にいた部長もインディーズのレコード店をやっていた人で、結構日本でも有名な人だったんです。その部長と店長がすごくかっこいい人たちで、僕もこうなりたいなと(笑)。
大きな転換点になったのが、関東にレンタルビデオ店を展開する1号店の店長に立候補したこと。船橋で3年半店長を務め、関東でどんどん店舗を増やしていきました。そうこうしているうちに、僕らの競合であり良いライバルでもあった株式会社あらきの社長が隠居して、後を託したいという相談を会長が受けて、「じゃあお前、社長で行け」と言われたのが8年前のこと。
そんないきさつなので、あらきはあらきの人間が社長をやるべきだと思っていまして、いずれは、僕は跡を譲って漁師になろうと決めています。最近はマジシャンもいいかなと思ってるんですが(笑)、そういうサービス業でお客さんに楽しんでいただく空間を作っていきたい。そんなふうに取り組んでいます。
三反田 1000円カット、大戸屋、タリーズといろいろ広げていますが、これは業態を探してそうなるのか、何かの縁でそうなるのか……?
谷川 両方といえば両方ですが、どちらかと言えば「人」ですね。展示会で出会った人とすごく意気投合するとか、この人とだったら一緒にやってもいいかなとか。そういうのってあるじゃないですか。モデルは後からがんばってつくればいい。
三反田 そうするとこれから何をするかはちょっと分からない(笑)、意気投合すればすごいことになるかもしれない。そんな感じですね。しかし、業態が多すぎると“わちゃわちゃ”になっちゃいませんか。
谷川 なります。なりますが、それぞれの事業で事業責任者を立てて、最終的にはその責任者に社長をやってもらう。つまり責任の所在をはっきりさせ、僕は漁師になる(笑)。だから、“わちゃわちゃ”でいいのかなと思ってます。
三反田 前田さんは割と一直線な感じでしたか?