OBRIST社のシステム。
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OBRIST社のシステム。
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AIEのシステム。
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AIEのシステム。
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 2050年になってもエンジンはクルマの主要な動力源であると予測されている。しかしタイヤを直接駆動するのはエンジンとは限らなくなる。

 例えば、三菱自動車のプラグインハイブリッド車(PHEV)「アウトランダーPHEV」や米GM社のPHEV「シボレーVolt」は基本的にエンジンで発電機を回す。

 マツダは、ロータリーエンジンを発電専用エンジンとして利用するハイブリッド車(HEV)を研究している(もっともマツダとしてはロータリーをタイヤ駆動エンジンとして返り咲かせるつもりのようだ)。

 発電機を回す手段としてエンジンを搭載する傾向は、今後ますます増えるだろう。今春開催された「人とくるまのテクノロジー展2015」でレポートされているオーストリアOBRIST POWERTRAIN社のハイブリッドシステムHyperHybrid用パワーユニットも、その代表的なものだ。

 タンデムクランクの2気筒という特殊な構造。しかし360度クランクとなるため両気筒のバルブタイミングは基本的に正反対になることから、カムシャフトは気筒間にクランク軸と平行に1本が置かれ、ロッカーアームで左右の吸排気バルブを駆動する。1カム4バルブのヘッドを、バルブ挟み角を広げて2気筒に2バルブずつ振り分けたようなレイアウトだ。

 発電用という割り切りのため複雑な可変バルブタイミング機構をもたず、カム山さえも両気筒で共有するという簡素化ぶりは、実際にレンジエクステンダー用ユニットとして搭載される場合、どうなるか興味のあるところだ。実際の振動特性など、解決しなければならない問題はありそうだが、斬新で可能性を感じさせるエンジンである。

 他にもEVやハイブリッド関連の機構でユニークな試みは、会場内のあちこちで見受けられた。英Advanced Innovative Engineering社は超小型のロータリーエンジンを開発、これを発電用として利用することを提案していた。現時点でマツダ以外にもロータリーエンジンの開発をしている企業があることに驚いたが、その仕組みもまたなかなか興味深い。