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未来を読み解く技術大全

会社がつぶれる危機感が、研究開発の姿を変えた

オープンイノベーション(その2):東レと味の素の場合

  • 星野 達也=ナインシグマ・ジャパン
  • 2015/08/21 00:00
  • 1/6ページ

 前回は、オープンイノベーションがどのようなもので、なぜ世界の名だたる大企業の間で広がっているのか。そして、海外の事例として米Procter & Gamble(P&G)社の取り組みの一部を紹介した*1。今回は、オープンイノベーションに積極的に取り組む日本企業のケースについてご紹介する。

 オープンイノベーションは、ものづくり企業(いわゆるメーカー)が、いわゆる自前主義によるものづくりではなく、必要に応じて社外の知見を有効活用して、研究開発を加速したり、新しい価値を創造したりする活動だ。

「メーカーが自社だけでは解決できない研究開発上の課題に対して、既存のネットワークを超えて最適な解決策を探し出して解決し、研究開発をスピードアップすること」

 これが、世界で共通するオープンイノベーションの定義である。「可能な限り高い技術を、自社のネットワークに限らず探し出す営み」というわけだ。この取り組みへの関心が高まるにつれ、先行企業の取り組みを断片的に耳にすることが多くなった。ただ、組織的あるいは戦略的に活動を進める個別企業の取り組みについて、その全体像を網羅する情報はなかなか入手しにくい。

 一方で、オープンイノベーションを始める際に最も参考になる情報の一つが、個別具体的な企業の取り組み事例であることは確かだ。特に日本企業にとっては、海外事例以上に、日本の経営環境に根差した国内企業事例から学ぶことは多い。

国内先進企業は、どう取り組んでいるか

 そこで今回は、オープンイノベーションの中でも「技術探索型」と呼ばれる取り組みで先進的な成果を挙げている国内企業に関して、その具体的な活動内容を紹介する。

 技術探索型とは、研究開発に必要とする技術を広く探し出して活用することを指す。製品開発で「技術課題」がある場合に、世の中に向けて「誰か技術を持っていませんか」「この課題を解決できる人はいませんか」と問い掛け、興味を持ってくれる相手を探す取り組みだ。

 ここで紹介する企業事例は、オープンイノベーションに関連するカンファレンスでのスピーチや、個別インタビューを通してまとめた国内先進企業の取り組みである。インタビューを通して見えてくる各社の活動は、多くの日本企業が共感できる内容も多い。

 中でもオープンイノベーション推進に至った危機感、具体的な取り組みなど、これからオープンイノベーションを活用しようと考えている企業だけでなく、現在進行中の企業にとっても参考になるはずだ。

 今回、先進事例として選出した日本企業は、東レ、味の素、大阪ガスの3社。それぞれ、独自の考え方で活動を進めている。すべてのケースで共通しているのが、活動の原動力となる「危機感」であることに注目してほしい。赤字に転落した危機感、競合との競争による危機感など、活動を牽引する危機感もさまざまであるが、いずれのケースも「危機感」が活動を推進するエンジンとなっている。

 各社のより具体的な活動に関しては、拙書「オープン・イノベーションの教科書」に譲るとして、ここではエッセンスを紹介したい。

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