中国Xiaomi社(小米科技)のことを紹介する時、枕詞として「スマートフォン(スマホ)の」と書くことが圧倒的に多い。ただ日本では、同社がスマホ以外の製品を造っていることについては今年初め、ひょんな形で広く知られるようになった。Xiaomi社が2014年12月に出した空気清浄機が外観から内部構造、宣伝文句まで自社製品に酷似しているとして、日本の家電ベンチャー、バルミューダ(本社東京都武蔵野市)が2015年2月、提訴を検討していることが伝えられたためである。

 「中国市場のスマホシェアで米Apple社や韓国Samsung Electronics社を抜いた」「スマホ世界シェアで3位に躍進した」「2015年のスマホ出荷目標を1億台に設定した」と、同社の勢いを伝える報道が日本の一般紙に載ることも珍しくなくなったし、同社のスマホにシャープやジャパンディスプレイが液晶パネルを供給するなど、日本企業がXiaomi社のスマホ製造に関わっているということもよく知られるようになった。空気清浄機の一件で、スマホ以外の製品を造っていることも分かった。

 ただいかんせん、Xiaomi社の製品が日本進出を果たしていないため、日本の消費者が同社製品を肉眼で見たり手で触れたりするチャンスは極めてまれ。中国国内ではApple社のiPhoneと互角の勝負をしているというスマホのことも、不名誉な形で知名度を上げた空気清浄機も、そしてXiaomi社の存在自体、日本の消費者にとってはどこか曖昧模糊としたものとして認識されているのではないだろうか。

 さてそのXiaomi社、最近も積極的にスマホ以外の製品の投入を続けている。同社が最も最近開いた新製品発表会で披露した製品も、スマホではなく浄水器と超高精細の4Kテレビだ。2015年7月16日に北京で開いた浄水器の発表会の様子を同社のホームページで見ることができたので一部を再現してみる。