予想もしなかった市場から需要が…

移動させた様子
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 Mobi Chargerでは、コストを下げるために中古のEV電池を採用するのが重要なポイントだとする。「中古電池は、新品時に比べて80%の容量になっているものの、新製品のコストに比べて1/6で手に入れることができる」(Sosinov氏)。Mobi Chargerの設計には、Fiat Chrysler Automobilesや日産自動車などのEVに採用されている「ブレード型(ラミネート型)」の電池を利用しており、電池パックの交換が可能になっている。

 Mobi Chargerは、充電時など電力網からの電力を管理するシステムをドイツSiemens社から提供を受けている。これにより、電力価格が安い時間帯にMobi Chargerを充電させるなどの機能を実現している。

 FreeWire Technologies社はEV充電市場を狙ってMobi Chargerを製品化したが、予想もしなかった市場から需要があったという。それは映画撮影現場などに電力を提供する市場だ。「映画撮影現場の多くは、ディーゼル発電機を利用している。だが、雑音や排気ガスなどの問題が発生するため、Mobi Chargerみたいな装置が魅力的だったようだ」(Sosinov氏)。

 例えば、これまでは雑音を避けるため撮影現場から離れた場所にディーゼル発電機を置くため、長い電線が必要でケーブル代も高かったという。FreeWire Technologies社はこうした市場向けに「Mobi Gen」という製品を開発し、「Cine Gear Expo 2015」のイベントで「Best Tech Award」という賞を受けた。