電子情報技術産業協会(JEITA)プリンター専門委員会傘下のプリンター市場分科会/プリンター技術分科会では毎年、出荷自主統計に基づくプリンター市場動向および出荷見通しと、アンケート調査に基づくプリンター新製品技術動向について取りまとめた「プリンターに関する調査報告書」を発刊している(詳細はこちらから)。本稿では、最新版に掲載されたコンテンツの中から、市場動向を紹介する。

2014年の市場実績:一人気を吐く、複合機タイプの電子写真プリンター

 2014年のプリンター市場は、世界全体で対前年比98.0%の1億1425万台となった。方式別では、ドットインパクトプリンターとインクジェットプリンターがそれぞれ減少、レーザープリンターやLEDプリンターといった電子写真プリンターが微増という形になっている。

 2014年の市場状況を詳しく見てみよう。まず、ドットインパクトプリンター分野はインクジェット方式や電子写真方式へのテクノロジーシフトが生じていることと、主たる市場の1つである「アジア・パシフィック・その他」市場での下落が大きいことが出荷台数減少の原因と推測される。インクジェットプリンター分野では、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴う写真出力用途の減少に影響を受けて、出荷台数が減少していると想定される。なお、2013年に続き、ビジネス用途におけるプリンターはインクジェット方式へとシフトが進んでおり、こうした傾向は先進地域・新興地域ともに共通である。

 一方、電子写真プリンター分野は引き続き堅調に推移しているといえる。規模の大きなモノクロは底堅い需要に支えられ、単機能機(以下、SFP)から複合機(以下、MFP)へといったシフトも継続して進んでいる。SFPの出荷台数は対前年でわずかにマイナス、MFPでは対前年105%であり、トータルでわずかにプラスとなった。

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