アートやデザイン、広告は、医療をどのように変えるのか――。そんな可能性について考えさせられるイベントに参加しました。先週7月4日に東京・日本橋で開催された「第1回 日本橋メディカル・イノベーターズ・サミット」です。主催者は、さまざまな大学の医学・薬学・看護学系学生や、慶応義塾大学の法学部・環境情報学部・総合政策学部など多分野の学生から成る「日本橋 Medical Innovators Summit 実行委員会」。当日は医学生を中心に一般学生や社会人も多数集まり、イベントの模様は「ニコニコ生放送」でも配信されました。

日本橋から医療イノベーションを!
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 「医療イノベーション、ここからはじまる」――。同イベントはこんなキャッチフレーズを掲げ、開催趣旨を次のように説明しています。「医療のビックデータ、治療から未病へ、バイオベンチャー…現在、医療分野でさまざまな変革が起きている。医学で解決できない問題は他分野のアプローチを使えば簡単に解決できるかもしれない。他分野が医学と協力すればより良い生活を創ることができるかもしれない。私たちはこれからの医療を創るべく、医療イノベーションのパイオニアたちを集め、医学だけでなくさまざまな分野の方々と一緒にディスカッションできる場を創りました」。

 メインテーマはまさに“異分野×医療”。各セッションテーマもそれにふさわしく、「アート×医療」「デザイン×健康」「コミュニティ×地域医療」「マネジメント×診療」「リーダー×挑戦」といった具合です。登壇者の顔ぶれも実に多彩。医師から学生、クリエーター、コピーライター、医療政策の専門家など、各界で活躍する異才たちが登壇しました。

 例えば「マネジメント×診療」では、会場が「山本雄士ゼミ」に様変わり。予防を軸とする新たな医療の姿を提唱するコンセプトリーダーとして活躍するミナケア 代表取締役・医師の山本雄士氏が主宰するゼミの2015年度第4回が開催されました(関連記事)。米国有数の医療機関であるCleveland Clinicを例に、「成功する病院の条件」をめぐって活発なディスカッションが交わされました。参加者は「リスクフリー」と書き添えたネームプレートを掲出。いかなる発言もここではリスクを負わされないという、自由闊達な雰囲気が印象的でした。