ランキングの上位20位に入っている記事のほとんどが、連載記事でした。しかも、20本のうち9本が、モジュラーデザイン(MD)の提唱者である日野三十四氏の自伝「一人の技術者がモジュラーデザインを確立した軌跡」(右の表で「MD」と入っている記事です)。その第1回が14位に入っており、記事公開日の2014年6月25日以来、実に1年以上もよく読まれていることが分かりました。
本連載はラインキング上位の2位~6位も独占。第13回から第18回の、中盤から終わりに近づくところです。物語の内容で言えば、日野氏がマツダを退社してから著書を執筆し、資格を取得し、広島大学教授としても韓国Samsung Electronics社やSamsung SDI社でのコンサルタントとしても活躍するあたりです。第18回の美人秘書の話をご記憶の方も多いと思いますが、Samsung Electronics社を中から見た経験を描いたことが、読まれた理由の一つではないでしょうか。
連載のうち2014年後半に公開された前半も、ロータリーエンジン開発時のマツダ内部事情が生き生きと描かれているという面で大変興味深いものです。この機会に読んでいただければと存じます。
2015年4月に開始した「プロフィタブル・デザイン 利益獲得設計」。その第1回「『iPhone』がもうかる本当の理由」は、ランキングの第1位に輝きました。iPhoneという人気商品と、その利益がどこから来るか、そこから学べるものは何かを分かりやすく解説した記事です。第2回の「“マニュアル設計者”に魅力的な製品は作れない」も第13位に入りました。つい先日、第3回も公開になりました。
モジュラーデザイン連載と入れ替わるように始まった「『出る杭』コンサルの眼」も多くの読者を引きつけています。「日経ものづくり」で「『出る杭』を育てる時代」を連載した、経営コンサルタントでO2戦略ディビジョンプリンシパルの横田宏信氏の執筆による連載です。かつてヒット商品を連発したソニーの現状を鋭く批判かつ激励する内容が受けて、第7、8、18位に入りました。7位の記事は、読者から多くのコメントを頂いていて、合わせてお読みいただければと思います。
連載「品質の明日」の第1回と第2回も、ランキングの15位と9位に入りました。マツダ代表取締役会長である金井誠太氏の講演内容を基に構成した記事です。「SKYACTIV」やモノ造り革新活動の内容をトップ自らが語る内容が支持されたようです。
日野氏、横田氏、金井氏と、いずれも企業内で当事者として活動しておられた方々です。そういった方々の文章が自ら語る内容には、やはり説得力があります。