日経テクノロジーオンラインの電子デバイス系サイト、すなわち、「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA・ソフトウエア」「アナログ」「電子部品」「デバイス」というテーマサイトで公開した全記事のうち、2015年1月1日~6月30日(15年上期)にアクセス数が多かった上位20の記事を下表にまとめた。日本企業が主役になっている記事がほとんどないことに、改めて愕然とした。

 第1位は、中国Xiaomi社(シャオミ=小米科技)のスマホ「Xiaomi Mi 4」を分解した記事である。分解してみて、中華スマホはもう「安かろう、悪かろう」の時代ではなくなったことが浮き上がった。かつては怪しい部品が結構使われていたのだが、このスマホに使われているのは、米Qualcomm社のプロセッサーICをはじめとして、世界的に名の通ったメーカーの電子部品である(第1位記事の当該部分)。が、日本の半導体メーカーのICは出てこない。

 それでも、フィルターやデュプレクサー、電池、液晶パネルなどの電子部品は日本メーカー製がほとんど(第1位記事の当該部分)。脇役とは言え、日本企業が幅を利かせているのにホットする。中華スマホの分解記事は、3位11位にも入った。

 上期ランキングの第2位は、30年間米国企業で働いた日本人技術者が見た日本と米国電子産業の逆転劇の第1回記事である。例えば、半導体を見てみよう。半導体の世界売上高は2014年に2年連続して過去最高記録を塗り替えたものの、日本では半導体は構造不況業種に成り下がっている。1980年代後半の日米半導体摩擦がうそのようだ。

 この記事によれば、日本から見ると派手な動きが目につく米国だが、実際には米国企業は長い年月をかけて地道に力を付けてきた。それが結実した、とする。技術者個人のキャリア形成も意外に地道だという。働きながら勉強を欠かさずに力を付けていく。華麗な転職の背景には、たゆまぬ努力があるとする、第4回記事はランキングの20位に入っている。

 第4位は、プロセッサーIC最大手の米Intel社がFPGA第2位の米Altera社を買収した理由を分析した記事である。PC用マイクロプロセッサーで牙城を築いたIntel社だが、スマホなどのモバイル機器分野で出遅れ、同社にとっての頼みの綱はデータセンターのサーバー用マイクロプロセッサーになっている。

 ところがその分野ではFPGAをサブプロセッサーに使う動きが急激に進んできており、Intel社はFPGA大手のAltera社に触手を伸ばした。今後Intel社は、マイクロプロセッサーとFPGAを1チップ化した製品などを開発する計画である。Intel社によるAltera社の買収に関連した記事は、17位にも入った。

 半導体業界では、このIntel社によるAltera社の買収だけではなく、米Avago Technologies社が米Broadcom社を買収する(日経テクノロジーオンライン関連記事)など、大型のM&Aが続いている。ただし、残念ながら、日本企業はその中には入っていない。

 下期には日本企業が活躍する記事がランキングを賑わすことを期待する。