2020年のパラリンピックを視野に

全天候型自転車の試作品(写真:三条市)
全天候型自転車の試作品(写真:三条市)
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 コペンの事例だけではなく、最終製品を生み出す事業を三条市では積極的に支援している。例えば、市の「次世代産業プロジェクト事業」では、小型風力発電装置と小型水力発電装置の開発を、同じく「成長産業分野進出支援事業」では全天候型自転車の開発を進めているという。

 2015年3月には、同市の國定勇人市長が音頭をとって「2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合」という構想を打ち出した。オリンピック/パラリンピックを単なるスポーツの祭典に終わらせず、地域の活性化と魅力の発信につなげていくことを目指している。構想発表当初、参加を表明したのは91自治体だったが、2015年5月時点では307自治体まで増えている。

三条市の國定勇人市長
三条市の國定勇人市長
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 この取り組みの中で三条市は、例えば、体に負担をかけない超軽量な福祉用具の開発など人々に寄り添う製品の開発を、2020年のパラリンピックを視野に推進していく。

 「“おもてなし”を超える“寄り添う”という概念をものづくりのテーマとしていく。その一環として、技術を持つ企業や、製品ニーズが分かる人材を集めて実際に製品を開発する『リアル開発ラボ』と呼ぶ取り組みを三条市でぜひ実施したい」と、國定市長は意気込む。