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竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」

面接で落とされても過度に落ち込む必要はない

人が人を評価することの限界

  • 竹内 健=中央大学教授
  • 2015/07/07 00:00
  • 1/2ページ

 就職・採用活動は実質的にもう終盤戦でしょうか。建前では採用が半年後ろ倒しになった今年の就職・採用活動とはいえ、8月の正式解禁まで多くの企業は待てず、採用活動が水面下になりかえって不透明になったような印象です。

 一部の(上位の)大学の学生には3、4月には事実上の内定が出て、それ以外の学生は苦戦が延々と続いているのでしょうか。そういう学生は本来行うべき大学での卒業研究がなおざりにされ、卒論が崩壊してしまった、と困っている大学教員も多いのではないかと思います。

 理工系の学生に対しては面接で卒論の研究に関してプレゼンを求められる場合も多いようです。就職活動が忙しいために卒論が疎かになるほど、面接でもアピールできずに、かえって内定が遠のいてしまう悪循環。

 本来は学業重視のはずの採用活動の後ろ倒しが正反対の結果になり、企業も学生も大学も不幸になってしまったとしたら、本当に残念です。

 採用の制度については再考が必要でしょうが、それでも今年就職活動をしている学生には、制度を嘆いても仕方ありません。実際に面接で落とされ、人格を否定されたような、ショックを受けている学生もいるでしょう。

 今、学生の採用の面接をやっているのは、ちょうど私の同世代かちょっと上の上司や部下の世代です。いわば自分が採用する側の世代になってみると、果たして自分たちの世代が学生に対して偉そうなことが言えるのか、と思うようになりました。

 右肩上がりで経済成長していた時代ならともかく、右肩下がりの時代では、上の世代は先輩方の貯金を食い潰した当事者です。事業としては失敗の原因を作った人でも、大企業の年功序列の制度では責任ある立場に昇進してしまうこともある。そういう人が採用では学生の「人物」を評価する場合もあるのです。

 年功序列は組織がうまく回っている時は継続性もある、合理的な方法でしょう。しかし、逆に競争力が落ちていく時は、失敗の原因を作った上の世代が権限のある立場で居残り、改革しようとする若い世代を潰してさらに落ちていくことも珍しくありません。年功序列はこうして逆回転して、益々悪化していく恐ろしいシステムでもあります。

 「人が人を評価する」以上は完璧な制度などありませんが、日本の大企業の年功序列の中では特に弊害が目に付くような気がします。そういう組織では、事業を成功に導いた功労者ほど、先に会社を辞めてしまうことも珍しくありませんから、残った人というのは・・・。

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