再エネミックスで太陽光発電が40%を占める

 米国エネルギー省(DOE:Department of Energy)のエネルギー情報課(US EIA:US Energy Information Administration)によると、2014年時点で、カリフォルニア州は大規模太陽光発電・集光型太陽熱発電(CSP)で州全体の電力供給の5%以上を賄っている。同州は、電源に占める太陽光・CSPの比率が全米で最初に5%に達したという(図4)。ちなみにこの比率は、電力卸売り用のメガソーラーからの電力に限られ、分散型太陽光発電システムからの発電(2.3GW相当)は含まれていない。

図4●州別電力供給における大規模太陽光発電が占める割合(2013年と2014年の比較)(集光型太陽熱発電も含む)。
(出所:US Energy Information Administration)
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 同州における大規模太陽光・CSPによる電力発電量は、2013年の610万MWhから990万MWhに大きく飛躍した。この拡大に貢献したのは「Topaz Solar 」、「Desert Sunlight」、そして377MWのCSP「Ivanpah Solar Electric Generating System」などによる発電電力だ。

 今までRPSを満たすために、「Solar Star」を含む数々のメガソーラーが開発されてきた。実際、カリフォルニア州のRPS用に設置されたメガソーラーの設置容量は、今年5月時点で3.4GWを超える。

 現在のカリフォルニア州のRPS目標は、「2020年までに33%」だが、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC:California Public Utilities Commissions)のレポートによると、2013年時点で州の民間電力会社による再生可能エネルギー調達量は20.9%にまで達している。さらに、各電力会社は「2020年33%」を満たせる再生可能エネルギーの電力量を購入契約でほぼ確保している。

 CPUCによると2014年における同州の再生可能エネルギー全体の内訳は、36%が風力、そして25%が地熱発電という。電力会社のRPS用電力購入契約を考慮すると2020年の再生可能エネルギー構成比(ミックス)は太陽光発電が40%を占めると予想されている。

 現在、米国を始め世界各国で、蓄電池と併用して「自産自消」を促進する分散型太陽光発電システムが話題になっている。しかし、調査会社の米GTM Research社によると、2015~16年は発電所用のメガソーラーが米国太陽光発電市場の大半を占めると予想している。同社によると2016年の発電用太陽光発電設置容量は6~7GWとなっている。

 今後も太陽光発電の導入が拡大すると予想されているものの、「Solar Star」を超える550MW以上の大規模プロジェクトは、今のところ全米どこにも計画されていない。

 現在カリフォルニア州では再生可能エネルギーの導入目標を「2020年33%」から「2030年50%」に引き上げる法案が出されている。もし、この法案が可決されれば、カリフォルニア州に「Solar Star」を超えるプロジェクトが現れるかもしれない。