マツダ社長の小飼雅道氏は会見で「トヨタの力を借りながら、SKYACTIVの価値を高めていきたい」と述べた。必要となれば、トヨタが2015年末に発売予定の次期「プリウス」に搭載するハイブリッドシステムや、2014年12月に発売した世界初の量産型燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の技術を流用する可能性もありそうだ。

 SKYACTIV第2世代エンジン開発のカギを握ると見られるのが、マツダの“ミスターエンジン”こと人見光夫氏だ。常務執行役員の人見氏は日経Automotiveに対して「超希薄な混合気が自己着火する研究を進めている」と述べている。内燃機関は、着火や排ガス処理など主要なメカニズムが明確に把握できていない点が多く、熱効率も40%程度になったばかり。常識を覆す取り組みが期待されている。

 

 市場の調査データでは、エンジン搭載車は2040年でも70%はあるとの指摘もある。1社ですべてをやりきるのではなく、他社とゆるくつながり、成長戦略を描く━━。マツダの事業戦略はほかの自動車メーカーにとっても混迷の時代を生き抜くヒントがありそうだ。