あしたのコミュニティーラボ編集部の遠藤です。企業コンサルタントとして、普段はお客さまと一緒に企業の課題に向き合いながら、企業同士の共創に欠かせない“共感できるテーマ”を抽出するためのヒントを探しています。前編では、異業種交流を通じた新規事業開発の場である「ビズラボ」の目的とポイントをご紹介しました。後編では、参加して得た気付きを共有します。

前編から読む

無責任から責任が生まれる。“ビズラボのパラドックス”は具現を促す

 ビズラボに参加して特に面白いと感じたのは、「無責任が責任を生む」という“逆説的な体験”を味わえたことです。参加者はみな、「無責任に出したアイデアに対して、勝手に責任を感じながら具体化に向けて動こう」としていました。無責任が責任を生む、勝手ながらこの状況を「ビズラボのパラドックス」と呼んでいます。

グループワークの様子。お互いの専門を持ち寄ります

 あるチームは、「日本ジュール協会」というサービスコンセプトを検討しました。これは、ウエアラブル端末を通じて人間の日々の活動熱量を取得し、動いて発生した熱量をポイントに還元して個人の健康増進を支援するものです。このチームは、熱量をポイントに変換することをモチベーションに運動を熱心に行うユーザーを演じながらプレゼンテーションを展開、これによってコンサートで活用することでファンの思いを可視化することに使えるのではないかなど、可能性を広げる議論に発展しました。