共創に必要なのは「チャレンジングなテーマ」と「実現に向けたコミットメント」

 「共創」とは、当事者同士の補完に収まらない価値を創出する行為だと認識しています。これを前提にすると必要な条件は、「当事者同士が取り組む意義のあるチャレンジングなテーマであること」、「顧客に対して新しい価値を提供するために当事者同士が強く実現に向けてコミットすること」なのではないでしょうか。今回、ビズラボで提唱された「責任のない開発」と「ビズラボのパラドックス」は、これらの共創の要件、特に実現に向けたコミットを生み出すことに有効だと感じました。

参加メンバーで集合写真(最終列の左から3番目が筆者)

 さらに、共通のプロセスを経験したことで、今回参加したメンバー間のつながりはとても強力になりました。今回のターム終了後、参加メンバーの企業のビジネスアイデアを検討するチームが立ち上がるなど、ビズラボから生まれたコミュニティーから次の取り組みが開始されています。共創を真に実現させるには労力と時間がかかりますが、今回の経験を糧に着実に推進していきたいと思います。

あしたのコミュニティーラボに掲載された記事を再録しました。
「人にやさしい豊かな社会」の実現に向けて、多様なプレーヤーが共に新たな価値を創出したりアクションを起こしたりすることを促進するウェブメディア。取り組み事例や識者の提言といった記事の掲載、座談会をはじめ各種イベントの開催、SNSを活用した議論の場の提供など、幅広い活動を展開している。2012年4月に開設した。運営は富士通。
遠藤大祐(えんどう・だいすけ)
富士通総研 産業・エネルギー事業部、あしたのコミュニティーラボ 編集部
富士通総研産業・エネルギー事業部コンサルタント。2009年の入社以来、主に製造業向けの業務改革、新規事業創出のコンサルティングに従事してきた。その傍ら、あしたのコミュティーラボ編集部でも「共創」活動の場づくりを支援している。