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「杉田クリップ」開発物語 PART2

30年間世界のトップブランドを走り続ける

2015/07/21 00:00
福山 健=日医文化総研
出典: 「知遊」第2号,2004年1月発行 ,pp.36-43 (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

前回から続く

「独創は出したいと思っている人間には出せない。課題を丹念に追っている人間だけに天啓がひらめき、新しいことにめぐり合う」

 インターフェロンの発見者、長野泰一博士は、世界に先駆けて「なぞのウイルス抑制因子」を発見した実験の秘訣を問われて、こう述べている。

 脳動脈瘤の治癒率を画期的に向上させた杉田クリップの開発・製作に取り組んだ瑞穂医科工業(以下、ミズホと略)の1人ひとりにとって、この長野博士の言葉はみずからの体験からも深くうなずけるものだ。生販管理兼開発部長の井上優はいう。

「杉田先生から出された9つの性能を備えたクリップを生み出すのは、常識的に考えれば不可能です。その不可能をどうやって可能にしたのか。それには特別な秘訣なんかありません。ただひたすら与えられた課題を地道に追求していく。立ちふさがる難関から逃げない。すると、試行錯誤の連続のなかから天の恵みのように思わぬ着想が得られるのです。杉田クリップの開発過程において、私たち自身、それを身をもって体験しました」

エルジロイとの出合い

 名古屋大学医学部附属病院(以下、名大病院と略)の脳外科の医師、杉田虔一郎(けんいちろう)から出された9つの要求事項については前回述べたが、初めての読者のために再述しておこう。

杉田クリップを用いた手術のイラストを描く杉田虔一郎教授。イラストを描く腕も超一流だった。

日経デジタルヘルス Special

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