ペットネームが“iArmS”で、その名は“I a(r)m s(upporter)”にかけてあると聞いて、一瞬うなった。最先端医療機器のイメージを保ちつつ、その機能を忠実に表現している。2015年4月にデンソーから発売された手術支援ロボットの登場は、医療機器業界だけではなく、衆目の興味を引き出すのに十分だ(関連記事)

「この世界がダビンチだけでいいのか」

 インターネット検索で「手術ロボット」「手術支援ロボット」と入力すると、出てくるのはダビンチ(米Intuitive Surgical社の「da Vinci Surgical System」)ばかり。この世界がダビンチだけでいいのか、というのが業界の識者の意見だ。ダビンチに関して批判をしているわけではなく、我が国でのこの分野の立ち遅れを危惧しているというのが現状なのである。

 こうした状況下において、医療機器が専門ではないデンソーかiArmSという特異的な機器の開発・販売に踏み切った。ダビンチとは使用目的や機能などは異質の製品だが、「手術支援」という大枠でとらえるなら、共通項を有しているといえよう。