このコラムでは、「リアル開発会議」が提案する「温度発電素子の実用化プロジェクト」の開発の軌跡を追っていく。「温度差なしで発電する」―。そんな温度発電素子を信州大学が開発した。「化学電池でも温度差発電素子でもない」とする新型素子。リアル開発会議では、この発電素子の実用化を加速し、多様な用途で早期に展開していく用途開発型のプロジェクトを立ち上げた。

温度発電素子の用途イメージ
イラスト:楠本礼子

 今回のプロジェクトの主眼は、新型温度発電素子の用途開拓である。とにかくスピード感を持って開発を進めていきたい。幅広い分野で様々なアプリケーションにかかわる特許を取得。プロジェクト参加者にはライセンス実施権を利用できるようにし、いち早く事業化につなげてもらえるようにする。

 これにより、一気呵成に産業の拡大につなげていく。もはや個々で足を引っ張り合う時代ではない。異業種で連合し、日本発の新産業を興したい。「共創の精神で一大産業にする」という気概のある企業の参加を期待している。

 参加企業については、業種を特に制約するつもりはないものの、温度発電素子を利用して自社のアプリケーションをいち早く市場に導入したい企業、さらにはデバイスの製造を手掛けたい企業の参加を強く望んでいる。