もちろん、最近はインターネットがありますから、オンラインでモノは入手できます。でも、まだ北陸の人はやっぱり顔を見てモノを買いたいという傾向が根強いんです。

 地方では、一度は東京や大阪、海外に出ても、戻る場所があるなら地元に戻りたい人も多い。そういう人たちが北陸で仕事ができる環境を整えて、戻れる場所をつくることに貢献していきたいと思っています。

荒川 智之(あらかわ・ともゆき)。ネットシステム 代表取締役(写真:加藤 康)
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三反田 最近、仕事で海外に出掛けることが増えていて、海外から見た日本への期待感が高まっているように感じています。訪日外国人も増えていて、日本を訪れる人を対象にしたビジネスは、これからどんどん加速しそうです。

 特に日本の地方都市は大きな可能性を秘めていると思います。食べ物もおいしいし、温泉があったり、四季や自然の豊かさも感じやすいからです。一方で東京はいろいろと集まっているけれども、特徴を打ち出しにくいところもある。

 四国や北陸という地方に根差したビジネスを手掛けているお二人は、どう感じていますか。

藤田 香川県は、ご存じの通り、全国で1番小さい県です。イメージとしては、日本全体を1/100にした縮図になっています。

 僕は介護ビジネスを手掛けているわけですが、世界でも高齢化が最も進んでいる日本の中で、四国は特に高齢化率が高いんです。それを考えたときに、どう受け止めるのかということですよね。

 マイナスに考えようと思ったら、いくらでも悪い方向を考えられる。でも、逆から見たら、もしかしたら四国は介護におけるIT産業のシリコンバレーになれるんじゃないかと感じるんです。

 大都市には介護施設がたくさんあるけれども、なかなか入居の空きがないことが問題になっています。人口の絶対数が多いところの方が老人数も多いので、大都市圏、特に首都圏は施設の入居率が高い。でも、地方都市では高齢化率は高いですが、施設は結構空いているんですよ。

 先ほど荒川さんがおっしゃったように、大手企業は首都圏、東京発信で商材を売ります。でも、介護施設については、首都圏から地方に出てきた企業は実は苦戦している。逆に、地方発で大都市に出て行った介護施設は好調という傾向があるんです。当社も、人口が10万人程度の丸亀市から、東京に進出したときに入居のスピードの違いにびっくりしましたからね。