藤田 一番大きな理由は、僕自身が「おじいちゃん子、おばあちゃん子」だったということです。10年ほど前に祖父が亡くなったんですけど、最後に祖父を自分が運営する施設に入れてやりたいという思いで始めました。

 今の仕事を始める前に不動産関連の仕事をしていたこともキッカケの一つです。自分の家の相続税を考えたときに何かをやらなければと思って。おじいちゃん、おばあちゃんと過ごすことに抵抗がなかったので介護かなと。

荒川 へぇー、もともとは不動産だったんですか。

藤田 そうです。サラリーマンですよ。相続税対策で小さなアパートなどを建てる「建設不動産」という部署にいたんです。でも、介護の世界については全く知りませんでした。

藤田 浩司(ふじた・こうじ)。ケア・ステーション代表取締役。ほか3社を経営。大手建設会社のテナント営業を経て、地元建設会社にヘッドハンティングされ不動産開発営業を手がけた。その後、外資系生保会社へ転職し、業界内では一目置かれるトップ営業マンとして活躍。2003年3月に法人を設立し独立。介護保険関連施設を数多く手掛ける。介護保険にとらわれない高齢者総合サービス業をビジョンに掲げ、さまざまなアイデアで注目を集め、介護業者向け運営支援コンサルティング事業においては、自らの経験に基づいた手法で営業ノウハウをマニュアル化し発信している。(写真:加藤 康)
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荒川 何歳のときに独立を?

藤田 41歳のときです。14年前ですね。それまでは営業マンでした。

三反田 荒川さんの会社はどうですか。

荒川 ネットシステムは福井県に本社がありまして、創業から19年になります。東京でも、大阪でも「福井って、どこにあるんだっけ」と聞かれるという(笑)。

 ウチの会社は3本柱で事業を展開しています。まず社名の通り、IT(情報技術)システムの開発ですね。これは起業当初からの事業です。主にサービス業向けのシステムなどを販売しています。次にメーカーさんの商材を売る営業代理の事業。ほかには、人材派遣の事業なども手掛けています。

 母親が福井で美容室を経営していたんです。一人っ子だったんで、働く母親の背中を見て独立精神が芽生えたんでしょうね。学校を卒業して、就職を考えたときにちょうど地元福井でFMラジオのキー局が始まるところだったんです。今からラジオが立ち上がるということで、ワクワクして関連の仕事を手掛ける会社に入りました。