――3番目と4番目の式の意味は。

 図1の3番目と4番目の式は、単一の磁極(N極のみの磁石やS極のみの磁石)は存在しない一方で、単一の電荷は存在することを示したものです。

 まず、divとは何かというと、ある微小領域からどれだけ湧き出すか、または吸い込むかを表すベクトル演算子です。演算子とは数学のルールで、+、-、×、÷も演算子です。

 次に、図1の3番目の式について説明します。図4のように、磁石は一般的にN極とS極の両極を有し、磁力線はN極からS極に向かってループ状に出ています。単一の磁極は存在しないとしていますので、それをdiv B=0と表現しました。

図4 磁石の磁力線はN極からS極に向かってループ状に出ている
図1の3番目の式が示すことを説明した。
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 最後に、図1の4番目の式についてです。図5のように空間に電荷があるとき、正(+)の電荷からは電気力線が湧き出し、負の電荷(-)へは電気力線が吸い込まれます。電気力線が電荷から放射状に湧き出している(または吸い込まれている)状態を、ρが有限値なので、divを用いてdiv D=ρと表しています。

図5 電機力線が正の電荷から湧き出し、負の電荷へ吸い込まれる
図1の4番目の式が示すことを説明した。
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■変更履歴
記事掲載当初、図1、図5および本文の最後に「ρ/ε0」とありましたが、いずれも正しくは「ρ」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。