図◎日本での受注が始まった「Jaguar XE」
図◎日本での受注が始まった「Jaguar XE」
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 英Jaguar Land Rover(JLR)グループの新型セダン「Jaguar XE」(図)が日本に上陸します。日本での受注開始に合わせて、2015年6月2日に東京・六本木で開催されたイベント「ジャパン・プレミア」に参加しました。XEはガソリンエンジン車の4モデルとディーゼルエンジン車の3モデルを用意しており、価格(消費税込み)はガソリン車が477万円から、ディーゼル車は497万円からとなっています。

 ガソリン車とディーゼル車のいずれも、ベースグレードの価格は500万円以下です。この価格や車両寸法などから考えて、競合となるのはドイツDaimler社の「メルセデス・ベンツCクラス」や、同BMW社の「3シリーズ」です。新型セダンのXEを武器にJLRグループは、強豪がひしめく「プレミアムC/Dセグメント」の市場に攻め込みます。

 Jaguarブランドのクルマと言えば、車体を軽量化するためにボディーにアルミニウム(Al)合金を多用しています。実際にJLRグループはこれまで、最上級セダンの「XJ」、スポーツカーの「XK」や「Fタイプ」のボディーに、Al合金を全面的に採用してきました。

 XEもこれらの車種と同様に、米Novelis社が供給する6000系のAl合金を主に使っています。ホワイトボディーの全表面積のうち75%にAl合金を採用しており、500万円クラスのC/Dセグメントの量産車では、Al合金の使用量が最も多くなっています。

 ただし、XJやXKのボディーはモノコック構造ですべてAl合金製ですが、XEは前後4枚のドアとトランクリッド、リアのアンダーボディーはAl合金製ではなく、鋼板製にしています。すべてをAl合金にしなかった理由についてジャガー・ランドローバー・ジャパンの担当者は、「500万円クラスの車両でボディーを全てAl合金にするのは、コストの面で難しかった」と説明します。