ケイズデザインラボ(本社東京)が、東京都世田谷区で2015年5月3日に開店した「二子玉川 蔦屋家電」で3Dプリンター製品などの企画展示を実施している。3Dプリンター製品といっても3Dプリンターの装置そのものではなく、3Dプリンターで造形したさまざまな製品のことだ。漆塗りの器、月の形を忠実に再現したランプシェード、立体的な浮世絵など、3Dプリンティング技術を活用して実現したこれらの一部は、製品としてその場で購入できる。

 「FUTURE LIFE EXHIBITION~3Dデジタルと少し未来のものづくり」と題した展示は2015年5月21日から6月3日まで、蔦屋家電の2階で開催されている。スペースの約半分「GALLERY SHOP」エリアでは3Dプリンター製品などを展示・販売し、もう半分の「OPEN LAB」エリアでは3Dプリンターの実演や3Dデジタルツールの体験会などを実施する。以下では、GALLERY SHOPで展示されていた製品を、写真とともに紹介しよう。

伝統工芸と3Dプリンターの融合


 GALLERY SHOPエリアの手前側に並ぶ色とりどりの器は、金沢の若手デザイナーseccaがデザインした作品群。3Dプリンターで器そのものを直接造形した樹脂製の器と、3Dプリンターで造形した原型から成形した陶器がある。そのデザインは独特で、既に有名料理店などでの採用実績があるという。表面を磨いて漆塗りを施したり、金箔を施したりといった伝統工芸と3D技術がうまく融合された製品と言えそうだ。カスタムオーダーによるデザインも受け付けている。


図1 3Dプリンターで造形した器。表面に漆塗を施してある。手前中段の製品で価格は10万円(税別)。
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