「日経エレクトロニクス」の記事を肴に産業界や社会の将来像を語り合う対談の第3回。今回は同誌5月号の特集記事「大学発世界企業」をテーマに、大学発のハードウエアベンチャーブームの背景と、その本質に迫る。
(前回から読む)
川口 水素貯蔵は、最後の手段だよね。そこまで困っているのかという状態になったときの。ほかにやるべきことがもっとあるでしょう。例えば、熱だけでもいろいろとやることがあって、アナログ技術を積み上げるだけでかなりのことができるはずです。
今井 今回の蓄エネ特集(「出番だ! 蓄エネ」)は、家庭というよりも、大規模な事業所向けの技術を多く取り上げました。
川口 ここで取り上げた技術は、災害などのイレギュラー対応というよりも、社会全体のエネルギー効率を高めるためのものなんでしょう?
今井 そうですね。どういう配分になるかについては、これからの検討になるんでしょうけれど、ある程度は再生可能エネルギーを入れていかざるを得ない。そのときには、畜エネ技術が必要なので、今からきちんと考えておきましょうという話です。
川口 特集記事の中で出てくる「列車を使った位置エネルギー貯蔵技術」というのは、何かまた鉄道ファンが喜びそうな新しい世界が広がってるね(笑)。
山本 登坂用のケーブルカーみたいな。歯車つきの。
川口 そうそう。スイスから輸入しましたという感じだと素敵です。
山本 超喜びそうですね。
今井 列車の取り組みの「場所をとらないバージョン」が、フライホイールということですね。
山本 うーん。何だか、いまいちロマンがないですね。
川口 列車も地震になったら脱線しそうだけどね…(笑)。