ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 成長戦略チーム 本部長コンサルタントの山崎 茂樹氏
ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 成長戦略チーム 本部長コンサルタントの山崎 茂樹氏
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 日本企業で今、「フューチャーデザイン」が注目を集めている。フューチャーデザインとは、未来を予測して市場創造型(ブルーオーシャン型)の新事業や新製品を見いだす手法だ。顧客調査や競合他社を分析し、新たな特徴をどうつけるかに苦労している企業は多い。しかし、市場や製品が成熟期を迎えた「レッドオーシャン」型の市場では、もはやこの方法では先が見えない。フューチャーデザインを使えば、潜在ニーズを見つけ出し、新たな市場や製品を造り出すことができる。
 「技術者塾」において「市場創造型の新事業を見いだす『フューチャーデザイン』」の講座を持つ、ジェムコ日本経営コンサルティング事業部成長戦略チーム本部長コンサルタントの山崎茂樹氏に聞いた。(聞き手は近岡 裕)


──最近、「フューチャーデザイン」を導入する日本企業が増えていると聞きます。直訳すると、未来を描くという意味になりますね。フューチャーデザインとは何でしょうか。

山崎氏:フューチャーデザインは、未来の方向を見つけ出す手法です。既存事業の進むべき方向や、新事業の企画、新製品の企画、さらに、会社として経営の進むべき方向を知るためにも使うことができます。分かりやすく使いやすいという特徴があり、未来の方向を知るためのベストな手法だと私は思っています。いわゆるシナリオプランニングの1つの手法です。


──フューチャーデザインは新しい手法なのですか。

山崎氏:もともとは、第二次世界大戦の際に米国が戦局を読むために使ったものです。未来の変化を分析した上で、具体的に4種類の未来シナリオを設定する。その中から、最適な未来シナリオを決めるのです。従来から存在すると言えばそうなのですが、日本企業が導入し始めたのはつい最近のことです。

図●フューチャーデザインで目指すのは、競合の少ない市場創造型(ブルーオーシャン型)の事業や製品を生み出すこと。
図●フューチャーデザインで目指すのは、競合の少ない市場創造型(ブルーオーシャン型)の事業や製品を生み出すこと。
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