本間技術士事務所の本間精一氏
本間技術士事務所の本間精一氏
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――新しいプラスチック製品を造る場合は、実際に成形して修正していくのでしょうか。例えば、金型の条件や成形条件を変えたり、製品形状を変えたりと、“変数”を変えて試行錯誤しながら正しいものを造っていく方法が主流になっているのでしょうか。

本間氏:1990年代後半から2000年に入ってCAEによるシミュレーションがかなり普及しました。そのため、ある部分の問題にはこうしたツールを使って、狙いをかなり絞ることが可能になりました。ただし、こうしたツールは正解に至る近辺までをナビゲーションしてくれるにすぎません。ピンポイントで正解を見つけることは難しいですね。


――ゴルフに例えると、グリーンには乗るけれど、そこから先のパットが決まらないという感じですね。パットを決めるには何が必要ですか。

本間氏:先ほど述べたように、いろいろな技術資料や、経験を持った人のいろいろなアドバイスが必要です。


――「技術者塾」で本間先生の講座を受けると、どの部分に効きますか。まずは、グリーンに乗せられますよね?

本間氏:はい。グリーンに乗せて、パターをこちらに打った方がよいというところまではいけると思います。グリーンには微妙なアンジュレーション(起伏:ここでは使い方のこと)がありますから、プラスチック製品の使い方を聞いて、「こちらの方向に打った方がいいのではありませんか」というところまでアドバイスできます。1パットでカップに入れるというわけには、なかなかいきませんが。