日経テクノロジーオンラインの電子デバイス系サイト、すなわち、「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA・ソフトウエア」「アナログ」「電子部品」「デバイス」というテーマサイトで公開した全記事のうち、2015年3月29日~4月29日にアクセス数が多かった上位20の記事を下表にまとめた。

Apple Watch、即日分解

 1位になったのは、4月24日に発売された「Apple Watch」の分解記事である。発売日当日の午前中に掲載された記事だ。この記事は、宅配便用の梱包箱を開け、製品の箱を取り出し、そこからApple Watch本体を取り出すまでの様子を紹介した。分解に入る前の、いわばプロローグの記事だが、第1位を獲得した。Apple Watchに対する高い関心が見て取れる。

 Apple Watchの分解については、その後、4本の記事が公開されている。
Apple Watchをお湯でふやかす
万力でApple Watchを開ける
Apple Watch内部に見たこともないネジ
Apple Watchの中核部品をX線でスケスケに
 ぜひ、併せてお読みいただきたい。

 2位には前回に続き、中国Xiaomi社(シャオミ=小米科技)のスマートフォンの分解記事が入った。同社のハイエンドスマホ「Xiaomi Mi 4」を分解した記事である。2015年1月5日に公開されたもので、長寿記事になっている。

ムーアの法則への依存から脱却

 3位は、日経エレクトロニクス4月号の特集「さらばムーアの法則」の第1部、「ムーアの法則、黄昏の時」のHTML版だった。「ムーアの法則(Moore’s Law)」とは、電子回路の同一面積当たりの素子数(集積度)が1年で2倍に高まるというものである。提唱されてから50年がたつ。集積度の増加率が「2年で2倍」に修正されて40年が過ぎた。

 ムーアの法則は、過去50年にわたって機器開発の拠り所とされ、電子産業の成長を支えてきた。それが今、終焉を迎えつつある。トランジスタを微細化して回路の集積度を高めるほどコストが下がり、性能が高まる黄金時代は去ってしまったからである。ムーアの法則に依存した開発手法から脱却しようと動き出した、エレクトロニクス業界の姿を追っている。

デバイスの供給が立ち行かなくなる!?

 4位は、4月21日に始まった連載コラム「グリーンデバイス革命」の第1回目の記事「電子デバイス製造の限界」である。スマートフォンや家電などの電子機器はもちろん、自動車、産業機器、ロボットなどでも、半導体や液晶といった電子デバイスが大量に使われるようになっている。さまざまな機器の高度化、電子化が進み、電子デバイスの使用量が増加の一途をたどる中で、電子デバイスの作り手の製造技術者はもちろん、使い手である読者の皆様にも是非知っておいてほしいことがあると、著者は訴える。

 それは、完成したデバイスは軽薄短小で省エネルギーだが、製造面では大きな課題があることだという。現在の技術では資源やエネルギーの無駄な消費が多く、このままでは資源の高騰や地球環境への悪影響が顕著になり、デバイスの供給が立ち行かなくなる危険性があると、著者は警鐘を鳴らしている。

 5位には、4月に中国・深センで開催されたシャープの商談会・展示会の記事「シャープ、中国顧客に惜しみなく先端技術を披露」が入った。経営危機にある同社が重点地域と位置付ける中国・深センで明かした再建戦略のシリーズ記事の1つである。同シリーズの他の記事、「背水のシャープ、中国で液晶事業の巻き返しへ」「中国市場で足場固めを急ぐシャープ」もそれぞれ7位と10位に入るなど、よく読まれた。