筑波大学情報学群の実験講座「組み込み技術キャンパスOJT」(以下、COJT)における最後のカリキュラム「自由課題」で、私たち西口と尾前は「顔検出」をテーマとして各自の作品を設計しました。今回は、西口の作品について説明します(尾前の作品については前回を参照)。

 西口は、色情報から顔を検出する回路を制作しました。具体的には、カメラで取り込んだ映像から肌色と髪色の部分を抽出して(キャプチャー回路の記事を参照)、その情報を基に顔であるかどうかを判定します。

顔検出の様子
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 私は、高等専門学校(高専)時代にARを研究していたので、自由課題もARを利用した回路を制作しようと考えていました。そして、これまでに課題で制作した回路はすべて、色情報を扱ったものであるため〔COJTの「ハードウェアコース」(以下、H/Wコース)の目的でもある〕、色情報を使ってARができないかと考えました。

 結果的に私が作ったのは顔を検出するだけの回路ですが、当初は「顔を検出し、髪色をカラフルにする」「顔のパーツを差し替える」などのARを利用した回路を制作するつもりで、顔検出はその過程で必要な機能という位置付けでした。しかし、時間や技術的な問題で挫折してしまい、顔検出だけで妥協してしまったのが正直なところです(苦笑)。