2015年4月16日、台湾TSMCが2015年第1四半期業績を発表し、台北市で説明会を開催した。以下では決算および決算説明会の概要を紹介する。

 2015年第1四半期の売上高は、2220.34億台湾ドル(YOY+50%、QOQ-0.2%)と、ガイダンス(2170億~2220億台湾ドル)範囲内で着地した。売上総利益は1094.29億台湾ドル(YOY+55%、QOQ-1%)、営業利益866.26億台湾ドル(YOY+65%、QOQ-2%)、当期利益789.90億台湾ドル(YOY+65%、QOQ-1%)である。

 売上総利益率(ガイダンス48.5~50.5%、実績はQOQ0.4ポイント低下の49.3%)と営業利益率(ガイダンス38.5~40.5%、実績はQOQ0.6ポイント低下の39.0%)はともにガイダンス範囲内だった。

 出荷数量(12インチ換算)はYOY+33%、QOQ+3%の228万7000枚(2014年は第1四半期:171万8000枚、第2四半期:205万3000枚、第3四半期:226万7000枚、第4四半期:222万5000枚)。Blended ASP(米ドルベース)はQOQ-4%、稼働率はQOQ2ポイント上昇の103%だった。

在庫水準は重め

 売上構成比は、通信:60%(2014年第4四半期:65%)、産業用その他(CMOSイメージセンサー、マイコン、フラッシュコントローラーなど):22%(同19%)、パソコン:8%(同9%)、コンシューマー:10%(同7%)。売上高の絶対額は、通信がYOY+66%、QOQ-8%、産業用その他が同+50%、+16%、パソコンが同-8%、-11%、コンシューマー同+36%、+43%。

 プロセス別の売上構成比率では、20nmが16%(2014年第4四半期:21%)へ5ポイント低下、28nmの構成比は2014年第4四半期と同じ30%。20nmと28nmを合計した先端プロセスの構成比は46%(2014年第4四半期:51%)へ低下。先端プロセスの売上高絶対額はYOY+103%、QOQ-10%となった。

 顧客別ではファブレスおよびシステムメーカーの構成比が83%、IDMは17%となった(増収率はファブレスおよびシステムメーカーがYOY+43%、QOQ-3%、IDMが同+96%、+13%)。

 2015年第2四半期のガイダンスは以下の通りである。売上高は2040億~2070億台湾ドル(QOQ-8%~-7%)とQOQ減収を予想している。為替レートの前提は1米ドル=31.03台湾ドル。売上総利益率は47.5~49.5%(稼働率低下を前提)、営業利益率は36.5~38.5%を見込む。

 顧客(特に通信端末系)の2015年第1四半期の最終需要が想定を下回ったため、第1四半期末の顧客在庫水準は例年より重めである。その結果、同年第2四半期に在庫調整(同社への発注調整)が行われる見込みだ。調整は第2四半期末までに一巡し、顧客在庫は通常水準に戻ると見ている。