日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「エネルギー」の直近3週間(2015年3月31日~4月20日)のアクセスランキングで最も読まれた記事は「太陽光発電導入量の日本一を達成した浜松市」である。
太陽光発電所といえば、九州や北海道というイメージが強い中、実は導入件数のトップは、餃子が有名な浜松市だった。2014年11月時点で浜松市は10kW以上の導入件数が2850件と、2位の岡山市(2434件)を離してダントツ。導入容量でも大分市に1位を譲ったものの鹿児島市や北九州市など九州の都市を抑えて、浜松市が2位に入っているという。
そして、今回のアクセスランキングから気になるのが、蓄エネ技術が多様化してきていることである。
蓄エネに関する記事として、記者ブログである「Editor’s Note」の記事として掲載された「あなたの知らない『蓄エネ』の世界」が3位になったのを皮切りに、6位に「『年間1.5~2GWを販売、蓄電池システムにも先手』、TMEIC・木暮ユニットマネージャーに聞く」、12位に「東芝、水素エネルギー研究開発センターを開所、太陽光を水素で貯蔵」、15位に「動いた!重さ4トンの巨大円盤、超電導フライホイールが試験運転」の4本がランクインした。
蓄エネといえば、畜電池が主流と考えがちだが、他の技術の開発も活発になっている。3位の記事を執筆した河合記者によれば、超電導フライホイールや風力“熱”発電、圧縮空気や位置エネルギーを用いた貯蔵など、さまざまな蓄エネ技術があるとのこと(詳細は日経エレクトロニクス2015年5月号特集「出番だ、蓄エネ」)。
出力が不安定な太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入量をより一層増やすには、蓄エネ技術による平準化が欠かせないというのが背景にあるという。
こうした中、12位の記事では、東芝の水素への取り組みについて取り上げている。同社は再生可能エネルギーから水素を生成して貯め、電力として利用するシステムの実用化を目指し、「水素エネルギー開発センター」を開設した。
東芝グループ全体で2020年度に水素関連事業で売上高1000億円を目指している。さらに、2025年をめどに、海外の大規模風力発電などで安価に生成した水素を国内に輸送し、水素ガスタービン発電所で発電する水素サプライチェーンの構築を計画している。
15位の記事では、鉄道総合技術研究所が2015年4月15日に報道陣に公開した超電導フライホイール蓄電システムの試験運転について取り上げている。フライホイールの試運転の様子が動画で掲載されているので、ぜひご一読いただきたい。