会社を辞めた2人のおじさんたち、瀬川秀樹氏と長岐祐宏氏による「やさぐれ放談」。今回から装いも新たにゲストを迎えての鼎談をお送りする。1人目のゲストは、木下紫乃氏。人材育成会社の営業マネジャーとして、大手企業を中心に数多くの企業研修を手掛けた木下氏は、2013年に退職し大学院に入学。女性がもっと活躍する社会や新しい働き方を研究している。多くの働く女性にメンターとして慕われる人物から見たオトコ社会とは。
左から、瀬川氏、木下氏、長岐氏(写真:花井 智子)
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瀬川 木下さん、お忙しいところ、今日はありがとうございます。実はね、今回の対談は「やさぐれ放談」というコラムなんですよ。それで、コラムの副題が「会社を辞めちゃったおじさんたち」。

木下 おじさんたち…。

瀬川 このコラムでは、いろいろな人をゲストに呼んで放談しようと思っているんだけど、その栄えある1人目が女性の木下さんで、いきなり副題が崩壊しちゃった(笑)。

木下 私、気持ちはおっさんなので(笑)。

瀬川 この対談は、僕や長岐さんのような別に有名でも何でもない普通のおじさんが、自分の人生について話すことで何か面白いことがあるかもしれないという趣旨です。2人の共通項は、大きい会社で長いこと働いていたけれど、人生終わりじゃなくて、まだまだ何かをやろうぜというエネルギーが残っているというところ。やっかいなおじさんたちなんです。

 実は、今回のゲストとして、「仕事が変わっても、独立しても、結構平気なんだよね」というおじさんを探そうと思ったの。でも、候補を考えていたら、最初に木下さんの顔が思い浮かんだんです。

木下 そういうことですか。

瀬川 うん。木下さんは環境が変わっても、いつも元気に新しいことを始めますよね。仕事というのは、単に金儲けだけではなく、社会的に意味のあることもやっていきたいじゃないですか。それを実践していると思うので、ぜひ今日はそういう話を聞きたいなと。

木下 ああ、そういうことで呼ばれんだ(笑)。ありがとうございます。

瀬川 今、大学にいるんですよね。

木下 はい。大学院生なんです。

長岐 え? 大学院? あの、ちょっとよく分からない。プロフィールを読んでも、さっぱり分からないですね。

瀬川 ああ、これはきちんと話さないと分からないね。かいつまんで、まずは自己紹介をお願いできますか。