福生 カレーは合わない食材がほとんどないので、日々いろいろなものを食べてみて、商品開発につなげています。月替わりのメニューもあるので、200種類くらいのレパートリーになっているんです。「お茶漬け風カレー」とか、具を変えるパターンとか。スープ自体も魚介を使ったり、ゴマを使ったり、いろいろと変えます。

 ディズニーランドに行っても、雰囲気づくりやホスピタリティーなどが参考になりますね。やはり、いろいろな分野でお客さんから支持されている理由があるので、全く違う分野でも勉強になるなと。

三反田 前回、光安さんは「明日から社長になってくれ」とお父さんから言われたと話していましたよね。社長になる前と後では考え方が変わったところはありますか。

光安 全然違いますね。初めは、「とにかく稼げばいいんだろ」くらいにしか思っていなかったんですけど、やはり実際にウチの焼酎や日本酒を飲んでいただいているお客さんに話を聞く機会が増えるようになりました。声が聞きたいので。逢って話を聞くと、いろいろなことを言っていただけます。それはすごく勉強になりますね。中でも、クレームが1番勉強になります!

リアル開発会議 周囲の声を聞くようになったということですね。

光安 慎一郎(みつやす・しんいちろう)。光酒造 代表取締役社長(写真:加藤 康)
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光安 そうは言っても、いろいろと自分でやっちゃうところもあるんです。よくないところかもしれませんけれど。例えば、以前は酒のラベルを外部のデザイナーにお願いしていたんですけど、やめて自分で描いています。

リアル 社長自らですか?

光安 その方が、デザイン料の分だけ商品を安く提供できますから。もちろん、コストの話だけではないですよ。従来のスタイルのラベルではなく、新しい形のものにしたいと思っているんです。そういう部分は、自分が気に入ったものじゃないとダメなんですよね。