福生 まずは、スープカレーの歴史から話しましょうか。スープカレーは、1970年代に札幌の喫茶店のマスターが常連さんの体調に合わせて出した薬膳スープが発祥と言われています。当時は、スープカレーとは呼ばれていませんでした。

 まだ歴史的には浅いんですけど、1990年ころからスープカレーと呼ばれるようになって、スープカレーを扱う店が増えていったんです。1990年代半ばから一時期ブームになって、札幌だけではなく、東京にも多くの店ができました。でも、ブームに便乗して、ただルーをお湯で伸ばしただけというような店もあった。それで客離れが起きたんです。

 その後、心が入っていないというか、お客さんに伝わらない店は淘汰されて、今に至っています。現在は北海道内に190店くらいの専門店があるのですが、味にお店ごとの個性があって、ソウルフードになっている状況なんです。

福生 雅寿(ふくお・まさとし)
雅楽 代表取締役。HAPPY BORN 代表取締役。12年の和食調理経験と飲食マネジメント経験を経てスープカレーの世界へ。2007年スープカレー専門店「GARAKU」を開業。コク旨、秘伝スパイス、和風ダシの融合したスープカレーが支持を得て連日行列人気店になる。現在別コンセプトのスープカレー店含む北海道3店舗、東京八王子店、沖縄店、香港マカオ含む6店舗展開中。北海道札幌スープカレーの魅力を文化として伝えている。(写真:加藤 康)
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三反田 その中でも福生さんが経営する「GARAKU」は繁盛店の一つなんですよね。

福生 おかげさまで、運もあって行列ができる店になっています。2007年に開業してから7年になるのですが、いろいろなテレビ番組でもご紹介いただいたりして。

三反田 そもそも、なぜスープカレーの店を始めたんですか。

福生 もともとカレーが大好きで小学校の卒業文集では、「将来はアイスクリーム屋さんか、カレー屋さんか、プロレスラーになる」って書いてますね(笑)。

 実は、実家の向かいに住んでいた小さいころからの親友が、札幌のラーメン屋さんで結構有名になっているんです。彼は小学校のころから毎日のようにラーメンを食べてたんですよ。そのころから「湯切りが甘い」なんて言ってまして。