メジャーで活躍しているイチロー選手の話を聞いて、なるほどと思った。記者に、自分の年齢についてどう思うかと聞かれ、「25歳なのに45歳に見える選手もいる。自分は、今がお年頃なんです」と、涼しい顔で言ったとか。

 この話、私もそう思うが、何もプロアスリートだけのことだけではない。ビジネスマンでも、若いのに老人のような人もいるし、本当の年齢は高齢でも若々しい人がいる。

 そんなことを考えていたら、よく「そろそろお年頃なのだから、結婚しなくては…」などと言う人もいるが、何を論拠に「お年頃」を決めているのだろうか。もしも、世間での平均結婚年齢をもとに言うのなら、そんな無礼なことはない。人は十人十色。それぞれに人生があり、考え方も好みも一人ずつ全部違うのだ。だから、平均的な結婚年齢など、どうでもいいではないか。

 どうも、本当のお年頃の意味を、私たちは何も考えてはいないようだ。

 イチロー選手が言いたかったのは、一般的な年齢と事象の関係を、一様に当てはめてはいけないと、自己確認の意味もあって言ったのではないかと、私は思うのだ。

 つまり、お年頃の本当の意味は、その人が何をどのようにしているのかという、仕事とのつり合い具合と言うか、相応しさ(ふさわしさ)ではあるまいか。