私は、いろいろな面から民生エレクトロニクス市場に関わってきていますが、私自身がユーザーとして電子機器を購入することはほとんどありません。家の電化製品は、20年近く前に米国に移住した際に購入したものをそのまま使い続けています。携帯電話も10年近く更新していませんので、周りから骨董品並みだと冷やかされる始末です。このような状態では、最新の市場の動きなど理解できませんから、時々、米国の量販店などに調査に出かけます。

 今回、薄型テレビの市場動向を見るために、幾つかの店をまわってみました。最初に見たのは、米国最大のディスカウントストアのチェーン店であるWalmartです。行ってみて驚きました。広大なテレビ売り場の内、3分の2ぐらいは、韓国Samsung Electronics社の製品で埋め尽くされているのです。

Walmartのテレビ売り場

 次いで同じく韓国LG Electronics社の製品が並び、残りのわずかなスペースに、米国のファブレスメーカーであるVIZIO社、中国や台湾メーカーの製品が展示されています。日本メーカーの製品は、全く見当たりません。いや、一つだけですが、今はもうパナソニックに吸収されてしまったSanyoブランドの製品が片隅に寂しく置かれていました(市場在庫品の整理だったのかもしれません)。

 10年前には、テレビ売り場全体に日本製品がずらりと並んでいたことを考えると、あまりの変化にがく然としてしまいます。Samsungの製品は30インチ程度の小さなものから、70~80インチの大型製品まで揃っています。もちろん4Kタイプのものもあります。