世界で自動運転車の開発が加速している。IT業界の雄である米Google社、大手完成車メーカーに加えて、メガサプライヤーが開発に挑む三つ巴の様相だ(関連記事:日経Automotive誌2015年3月号の特集「グーグルカーの破壊力」)。ドイツVolkswagen(VW)社で電気・電子部門トップのVolkmar Tanneberger氏に、開発の進捗などを聞いた。
自動運転技術の開発状況を知りたい。
開発は、グループ内で分担している。自動駐車がVW社、自動運転がAudi社の担当だ。もちろんAudi社の技術をVW社が使えるし、VW社の技術をAudi社は使える。VW社の自動駐車には自己学習型の技術を採用し、既に量産できる段階だ。次は、スマートフォンと連携した自動駐車を実現する。
実用化に向けた課題はなにか。
大きな点で言えばコストだ。自律運転ではシステムに冗長性が必要になる。つまり、複数のセンサーがいる。カメラ、レーダー、レーザーがすべているだろう。するとコストに跳ね返る。現時点では大衆車での採用は難しい。自動運転車の実用化はプレミアムカーを手掛けるAudi社の車両からだ。2015年1月、シリコンバレーからラスベガスまでの公道を同社の自動運転車で走破した。もう量産の準備は整っている。
課題にはもちろん法律の問題もある。完全な自律走行ができる場所はない。