Werner Huber氏
Werner Huber氏
[画像のクリックで拡大表示]

 世界で自動運転車の開発が加速している。IT業界の雄である米Google社、大手完成車メーカーに加えて、メガサプライヤーが開発に挑む三つ巴の様相だ(関連記事:日経Automotive誌2015年3月号の特集「グーグルカーの破壊力」)。ドイツBMW社で自動運転技術の開発を率いるWerner Huber氏(Head of Driver Assistance and Perception, BMW Research and Technology)に、開発の狙いや進捗を聞いた。

自動運転技術は「駆け抜ける歓び」を提供するというBMW社の哲学に反しないのか。

 自動運転車でも「駆け抜ける歓び」を常に提供する。当社のクルマの主役は運転者で、自動運転技術はアシスタントである。例えば渋滞のとき、運転するのは退屈だ。自動運転車ならばそんな退屈な状況をなくせる。これは運転の楽しみにつながる。

Google社が開発を進める完全自動運転車(グーグルカー)をどう見るか。

 とても興味深い。ただし、当社と異なる哲学のクルマだ。グーグルカーの車速は最大で時速25マイル(約40km/h)。とても遅い。当社のクルマは時速250kmで駆け抜けるもの。グーグルカーとは全く異なる。Google社はクルマの中で自分達のITサービスを使ってほしいと考えているのだろう。当社が目指すのは、ITサービスではない。