TFT液晶パネル大手の韓国LG Display社は2014年度第4四半期(4Q)の決算を発表した。売上高は8兆3420億ウォン(YOY+18%、QOQ+27%)、営業利益は6260億ウォン(同+144%、+32%)、当期利益は3890億ウォン(同+448%、+10%)だった。

 大型パネルの良好な需給環境と中小型パネル出荷増による製品構成改善で、米ドルベースのASPはQOQで17%上昇した。出荷数量(面積)はQOQ+4%、売上高はQOQ+27%の増収である。売上総利益率は3Qからわずかに低下して16.0%(3Qは16.6%)、YOYでは4ポイントの改善となった。営業利益率は7.5%(YOY3.9ポイント改善、QOQ0.3ポイント改善)で、2010年第2四半期以来の高水準となった。

 4Q末の在庫は2兆7540億ウォンとQOQ5%増加し、2Qから3Qで3割強増加していた水準からさらに増加した。内容としては、有機ELパネル(OLED)関連部材の増加、および中国春節商戦向けの在庫増である。中国向けについては、2015年は元日相当日が2月19日と2014年より遅いため、12月末時点での同社在庫水準は高い。

 ただし、4Qに売り上げが増加しているため、在庫回転日数(期首期末平均、原価ベース)は、3Q末の38日から4Q末は35日と、QOQで3日程度低下した。EBITDAマージンは18.4%(YOY+2.5ポイント、QOQ-1.4ポイント)。純負債比率は0.16倍(3Qは0.19倍)となった。

平均売価が大幅に上昇

 出荷面積はYOY+5%、QOQ+4%の1006万m2と、ガイダンス(QOQ+4~6%程度)並みである。Blended ASPはQOQ+17%の大幅上昇となり、2四半期連続で改善した。ASPに関しては3Q決算時のガイダンスで中小型パネルの出荷数量増や、大型テレビ向け比率上昇で製品構成が改善するとコメントしており、同社の見方に沿う動きとなった。

 アプリケーション別の売上構成は、テレビ向けが36%(3Qは42%)、モニター向けが14%(同17%)、ノートパソコン向けが8%(同10%)、タブレット端末向けが19%(同12%)、携帯電話機その他向けが23%(同19%)となった。ノートパソコン向け、タブレット端末向け、携帯電話機その他向けを合わせた中小型向けは3Qにおける41%から、4Qは50%に増加した。

 絶対金額では、テレビ向けがYOY+15%、QOQ+9%、モニター向けがYOY-3%、QOQ+5%、ノートパソコン向けがYOY-14%、QOQ+2%、タブレット端末向けがYOY+12%、QOQ+102%、携帯電話機その他向けがYOY+81%、QOQ+84%となった。テレビやモニター向けは構成比こそQOQで減少したが、全体の売り上げがQOQ3割弱の大幅増収となったことから、絶対金額ではQOQ増収となった。

 4Qの生産能力はQOQ2%増の1260万m2で、ガイダンス(1桁%台前半の増加)に沿う内容となった。なお、同社の生産能力は中国広州工場(G8)の立ち上げ加速により、2QでQOQ+6%、3QでQOQ+9%と増加が続いていた。