インバーターは、今後5~10年の間、パワーエレクトロニクスの分野で研究開発の中心となるだろう。Yole Developpement(以下、Yole)は、以下の理由でパワーエレクトロニクス業界が「インバーター中心」で動いていくとみている。

1.輸送分野(自動車、バス、電車、飛行機)における電動化
2.電力変換の最適化の必要性(例えば、産業用モーター使用時の二酸化炭素排出量を減らすため)
3.インバーターを多く使用する太陽光や風力などのクリーンエネルギー源の一連の開発

 これら3つの要素は、インバーター市場が新たな好調へ進む原動力となっている。Yoleはすべての応用分野におけるインバーター市場の年平均成長率(2013~2020年の期間)は6%になると考える。中でも、電気自動車(EV)とハイブリッド車(HEV)という非常に重要な分野における年平均成長率は18.3%になると予想する。よって、インバーターの応用分野全体の市場規模は2014年では430億米ドルに達し、3900万台のインバーター装置が出荷されている。

 これらの結果はYoleが2014年11月に発行したレポート「Inverter Technology Trends & Market Expectations(インバーター技術の動向と市場の期待)」で紹介しており、本稿ではこのレポートの一部を示す。なお、このレポートでの最新の記述として、最も有望なビジネス機会を把握するのに重要なインバーター市場の地域別特異性について解説している。