近距離無線通信規格「Bluetooth」の仕様策定と普及活動に取り組む業界団体「Bluetooth SIG」は2015年1月23日、「Bluetooth 4.2」についての記者説明会を東京で開催した。Bluetooth 4.2は米国時間2014年12月3日に発表されたばかりのBluetoothの最新仕様(リリース)。説明会では、Bluetooth SIGのSenior Director of Brand & Developer MarketingであるErrett Kroeter氏が登壇し、Bluetoothの普及状況とともにBluetooth 4.2の特徴を解説した(写真1)。
Kroeter氏によると、Bluetooth 4.2の強化ポイントは大きく3つあるという。
1つはプライバシーとセキュリティの強化。米NIST(National Institute of Standards and Technology:国立標準技術研究所)が策定した米国連邦政府の調達基準「FIPS(Federal Information Processing Standard)」に準拠しており、Bluetoothを介した不正なトラッキング(追跡)を防ぐ機能を備えているという。例えば、Bluetoothデバイスを持ってショッピングしている最中の行動について、ユーザーが明示的に許可しない限り、Beacon※1を使ったトラッキングをできないようにする。
2つ目は転送速度の向上。Bluetooth 4.2は、Bluetooth LE(Low Energy)※2のパケット容量をBluetooth 4.1の10倍に増やした。これによって、データ転送速度は最大でBluetooth 4.1の2.5倍まで向上するという。