「ビズラボ」は、その名称を「ビジネスプロデューサー養成講座」や「ビジネス・アライアンス講座」などと変えながら、日本中で20年ぐらい前から行われている講座である。主に、開発を業務としているビジネスパーソンが、異業種の受講生と一緒になって実際に開発を進めていく、まさに実践的な新事業・新商品開発講座である。

 既に1000人を超える卒業生を輩出したが、中には講師である私の人生を変えるような受講生もいた。以下、この方をAさんと呼ぶ。

 ある地方で開催した講座に参加したAさん、最初、私は自分の目を疑った。松葉づえを両脇にして、どうやってここまで来たのだろうかと心配になるぐらい、重度の障害者だったのだ。

 尋ねにくいが、尋ねなければならない。「なぜ、この講座に来たのか」と。心の中では、「この講座は一人で受講するだけではなく、グループワークもありますが、大丈夫でしょうか」と思っていた。それが、私の正直な気持ちであった。

 少し、言語障害が残るAさん、ゆっくりと話してくれた。