やさぐれる=家出をすること。「投げやりになる」との意味もあるが、この2人は全く逆である。

 瀬川秀樹氏と、長岐祐宏氏。

 2人とも“家出”をしている。それぞれ50代後半と、40代後半に一念発起して長年勤めた大手エレクトロニクス・メーカーを辞めて独立。自ら築いた新天地で意気揚々と新しいビジネスの創造に向けて歩みを始めている。

 会社を辞めちゃったおじさんたちに見えている風景は、どんなものなのか。なぜ、順風満帆だったはずのサラリーマン生活に終止符を打ったのか。これから何をしようとしているのか。

 瀬川氏は研究開発、長岐氏は事業企画と異なる畑の出身ながら、なぜか共通点が多いらしいおじさん2人の「やさぐれ放談」をどうぞ。

瀬川 秀樹(せがわ・ひでき)
クリエイブル代表、元リコー研究開発本部・未来技術総合研究センター所長。大阪大学工学部精密工学科卒業後、32年半、リコーに勤めた。光ディスクの技術者、 光ディスク国際標準化委員会の日本代表団メンバーなどを経て、米国シリコンバレーに5年半駐在した。同地では、ベンチャーへの直接投資(CVC)や、新規事業の提案/立ち上げ/撤退に従事。その後、リコーで技術戦略室長、新規事業開発センター副所長、未来技術総合研究センター所長などを歴任。近年はインド農村部でのBOPプロジェクトも興しリーダーを務めた。 2014年9月に退職、同年10月に「Creable(クリエイブル)」を設立し新規事業開発コンサルや若手育成研修などを行っている。また、「勢川びき」のペンネームで4コママンガ作家としても活動中。
長岐 祐宏(ながき・ゆうこう)
1989年4月にセイコーエプソンの販売子会社であるエプソン販売に入社。約11年間、営業や技術、サポートの販売現場経験を得る。米DEC社との共同プロジェクトに参加し、ネットワーク技術の資格を取得。2000年からセイコーエプソンでプリンタ事業部、デバイス事業部、新規事業開発本部、システム事業部、開発本部の複数部門を経験。主に、新規商品の開発企画や事業企画を軸に活動する。特に2006年以降は他社と連携した大型新規プロジェクト(小型プリンターや小型プロジェクター、ハイビジョンビューワーなど)をリーダーとして取りまとめる。人事部を経験後、2013年11月に退職。他社のビジネスアドバイザーを行い、2014年10月にビジネスの新しいビジョン開発や、プロデュースを手掛ける「MARCURY VISION」を設立、代表を務める。