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HOMEものづくり竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」 > ソフト全盛の時代、もうハードを学ばなくて良いのか?

竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」

ソフト全盛の時代、もうハードを学ばなくて良いのか?

ハード・ソフト・サービス融合こそが競争力の源泉

  • 竹内 健=中央大学教授
  • 2015/01/14 00:00
  • 1/3ページ

「ハードはすぐにコモディティー化し、韓国、台湾、中国などの企業にコピーされる。」
「水平分業の時代には、ハードはアウトソースすれば簡単に作れる。」
「マネタイズするのはハードではなくソフトやサービス。」
「ハードはタダ同然で安く売って、保守やサービスで儲ける。」
「ソニーがAppleに負けたのはハードではなくソフトの差。」

 いずれも一理あることばかりです。良く言われるように、ハードだけでグローバルの競争に勝ち続けることは難しくなっています。また、Appleが音楽プレーヤービジネスで勝者になったのは、iTunesという音楽配信ソフトとコンテンツを豊富にそろえたから。AmazonはKindleなどのハード端末はとても安価に売って、コンテンツ(電子書籍)で収益を上げています。

 このように事業としては、ハード単体を売り切るだけでは収益を上げ続けることは
益々困難になり、ソフトを使ったサービスが重要になってきています。外部環境としても、いまやAWS(Amazon Web Services)などの安価なクラウドサービスを使えば、プログラミングさえできれば、以前よりは飛躍的に簡単に(資金、人員や時間をかけずに)サービスを始めることができるようになりました。

 このようにハードを意識しないでネットを利用すればビジネスができるようになったのは良いことです。ただ、ハードはもう学ばなくて良い、というのは言い過ぎでしょう。AppleはiPhoneやiPadのようなハード製品やこれらの製品の心臓部であるCPUを自ら設計することで他社の製品に差異化しています。

 また、Appleが製品の製造を半導体ファウンドリ、EMCなどの受託製造会社にアウトソースする場合にも、「丸投げ」しているわけではありません。Apple社内のハードや製造の専門家が製造会社に対して厳しく注文を付けたり、技術サポートをしていると言われています。

 つまり、ソフト全盛の時代でも、ハードの知識、ノウハウはしっかり自社に持っていることが競争力の源泉なのです。水平分業の時代では、Appleに限らず日本企業でも製造を外部の企業にアウトソースすることが多くなりました。その理由は技術的というよりは、巨額の投資を避けたいという事業戦略の問題でしょう。

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