エレショーなのに自動車メーカーが集結?

 年初に開幕するCESですが、エレクトロニクスショーにもかかわらず、自動車メーカーが多数登場します。今年の基調講演はドイツDaimler社と米Ford Motor社が登壇し、トヨタ自動車をはじめ、ドイツVolkswagen社やAudi社などがプレスカンファレンスを予定しています。

 発表内容はズバリ“自動運転”に関するものになるでしょう。これがまさにロボット技術のかたまりです。自動車メーカーをはじめ、自動車電装品メーカーはこぞって、自動運転を実現するためのセンサーや認識アルゴリズムの開発を進めています。その根本にあるのが、ロボット技術であり、今後大きく成長する分野となるでしょう。

 日経テクノロジーオンラインでは、2014年から「新産業」というテーマサイトを設けて、「ウエアラブル」や「ロボット」をはじめ、「 Social Device 」や「デジタルヘルス」、「航空・宇宙」「ビッグデータ」「3Dプリンター」など今後の発展が期待される分野の情報を発信し続けています。

 さて、もう一つ大きな注目分野があります。“エネルギー”です。日本では、2016年以降の電力小売の自由化や発送電分離などによる電力システムの改革が始まります。これに伴い、新たな需要を獲得しようと企業間の合従連衡が始まっています。

 最近では、東京電力と中部電力が包括的アライアンスで基本合意したり、日立製作所がスイスABB社と高圧直流送電事業で提携し、合弁会社を設立したりするなど、慌ただしさを増してきました。2015年もこうした動きが加速するでしょう。

 また、再生可能エネルギーの受け入れ問題も表面化し、ドイツのように売電から自家消費への移行が注目されています。その際に必要となるのが、蓄電・蓄熱技術です。ITとの組み合わせで、どのようなサービスを安価に提供できるのか、注目したい分野です。

トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」
トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」

 この他にも、2015年は燃料電池車の登場によって、エネルギーとしての水素への期待が高まってきています。水素を低コストで製造し、かつCO2排出量を抑えられるか、まさに技術革新が求められています。

 急展開しそうな電力ビジネスの情報をお届けするため、専門誌『日経エネルギーNext』を2015年1月に創刊します。日本の発展を支えるエネルギー産業を展望し、電力ビジネスの最新動向をお伝えしていきます。ぜひご期待ください。

 2015年も引き続き、日経テクノロジーオンラインをご愛読いただければ、幸いです。