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 本コラムでは前回、2014年下半期の出来事などを振り返る意味で、同期のアクセスランキングを紹介しました(関連記事)

 そこで今回は、来年を展望する企画として、日経デジタルヘルス編集部が選出した、2015年を占う10大キーワードをお届けしていきます(五十音順に紹介)。

1)アナログヘルス

 ICTやエレクトロニクス技術を活用したデジタルヘルスサービスの構築があちらこちらで進んでいる。できる限り人手や手間を掛けずに、さりげなく利用者(患者)にサービスを提供するのが、デジタルヘルスの醍醐味の一つでもある。

 一方で、そのサービスの中にいかに「人」の存在を見えるようにして、アナログ的な要素を付加するのかが重要だという見方も少なくない。2014年10月に開催された「次世代ヘルスケア展」では、ヘルスケアベンチャーのこころみが提供する「つながりプラス」という極めてアナログ的な見守りサービスにも来場者の大きな注目が集まった(関連記事)。電話による会話が基本というサービスである。

 すべてをインターネット上で完結させるのではなくリアルな場の活用を組み合わせたり、人(医療従事者など)の積極介入を図ったりする――。2015年はこうした試行錯誤が活発になるだろう。

2)アプリ処方

 医師が薬剤を処方するだけでなく、モバイル機器向けのアプリケーション(以下、アプリ)を処方する時代が近付いてきそうだ。

 日経デジタルヘルスでコラムを連載する内科医でキュア・アップ 代表取締役の佐竹晃太氏は、次のように語る(関連記事)。「今後の診療の在り方としては、単に薬剤のみを何種類か組み合わせて病気を治療していくやり方より、薬剤とアプリ(モバイルヘルス)を融合させて病気の治療に取り組む方が、副作用リスクを下げながらしっかりと病気を治療できるようになる。米国では既にこの新しい診療スタイルが始まりつつある」。

 2014年12月には、米Noom社の糖尿病予防向けスマホアプリ「Noom Health(ヌームヘルス)」が、米国の糖尿病予防認定プログラム(The Diabetes Prevention Recognition Program)の準認定を受けた(関連記事)。モバイル機器向けアプリとしては初の認定となるという。2015年は、こうした事例が相次いで登場するだろう。