「SEMICON Japan 2014」の様子
「SEMICON Japan 2014」の様子
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 皆さま、あけましておめでとうございます。昨年は『日経BP半導体リサーチ』をご愛読いただきまして、ありがとうございました。2013年4月に正式スタートいたしました日経BP半導体リサーチは2015年、3年目の年を迎えました。本年も、巨大な半導体市場の変革点を的確にとらえ、情報を読み解くポイントを読者の皆さんに提供できるよう活動していく所存です。

 2013年に過去最高を記録した半導体市場は、2014年も過去最高を達成したとみられます。WSTS(世界半導体市場統計)の2014年秋季半導体市場予測では、2014年の世界半導体市場は対前年比で9.0%成長して3331億米ドルに拡大するとしています。この傾向は今年も続き、WSTSの予測では対前年比で+3.4%成長して3445億米ドルになるとみています(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。2013年、2014年に続き、2015年も世界半導体市場は過去最高を記録することになりそうです。さらにWSTSは、来年は同+3.1%成長すると予測しています。

成長市場へ大きく舵を切る、半導体メーカーが続々

 ただし、安定的に右肩上がりの成長を続けるといっても、それは半導体市場全体の話です。半導体の応用分野ごとに見ていくと、巨大だが成長のピークに近づきつつあるもの、まだ市場規模は小さいが今後大きな成長が見込まれるものなど栄枯盛衰があります。今は、主役が切り替わる端境期にあるといえるでしょう。半導体関連メーカーは、自社の得意分野を生かし、成長の期待度の高い応用分野に向けて大きく舵を切ろうとしています。

 2014年を振り返ってみると、大きな成長が見込まれる分野への布石を打つ企業活動が目立ちました。2014年6月にはアナログ半導体メーカーの米ON Semiconductor社が、CMOSイメージセンサー大手である米Aptina Imaging社の買収を発表しました(日経テクノロジーオンライン関連記事2)。ON Semiconductor社がAptina Imaging社買収で打ち出してきたのは、車載カメラ向けCMOSイメージセンサーのラインアップの拡充です。ADAS(先進運転支援システム)の普及によって、イメージセンサー市場の拡大が予測されることが背景にあります(日経テクノロジーオンライン関連記事3)。