今回は、市場成長が続くBluetooth/WiFi市場の動向を解説する。BluetoothとWiFiの市場はともに、従来の牽引役だったモバイル機器や民生機器分野に加えて、今後はウエアラブルやスマートホーム、自動車、スマートシティといったIoT(internet of things)分野への採用による市場拡大が期待される。一方で、IoT向けのチップやモジュールのビジネスでは、スマートフォンやパソコン向けとは異なる要件やビジネスモデルが求められる。

 従来の無線規格は通信速度や伝送距離、消費電力、ネットワークトポロジの違いなどに応じて、その用途が分かれていた。それぞれの規格が拡張される中で、用途面での競合が見られ始めている。

 センシングやコントロール向けの低速/低電力の領域では規格が特に乱立している。以前からのZigBeeやZ-Waveなどに加え、Bluetooth Low Energy、IEEE802.11ah(サブGHz WiFi)が登場。さらに、WirelessHARTやWireless M-BUS、WiSUN、KNX RFなど、業界ごとに独自の通信プロトコルが存在する(図1)。

図1●主な無線通信規格の位置づけ
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