連載主旨

 グローバル化によって、産業構造や業界・マーケットなど、従来の枠組みを超える新たなダイナミズムが生まれつつあります。世界のどこかで起きた技術革新が、自社のビジネスモデルを一夜にして意味のないものにしてしまう、そんなことがあるかもしれません。

 いま多くの企業は、環境変化に柔軟に対応できる事業構造へと改革を急いでいます。M&Aや技術提携、EMS・ODMといった水平分業、系列を超えた取り引きなど、組む相手は日本企業とは限りません。技術を磨くだけでなく、それを世界に発信し認めてもらえなければ競争力の低下は免れえないでしょう。

 エンジニアも例外なくその波のただなかにいます。開発・設計、生産それぞれの現場で、海外企業や現地スタッフとコミュニケーションをとるために英語が欠かせません。

 この連載では、最小限の英文法を用いて、相手に正しく理解してもらうための「技術英語」(関連ページ)を紹介します。ご自身の技術をよりよく伝える英語スキルを身につければ、グローバルエンジニアへのステップアップが容易になります。

執筆:橋本徹(はしもと・とおる)
日本能率協会 産業振興センター マネジャー
早稲田大学法学部卒、1983年日本能率協会入職。国際会議や海外視察団、外資系企業の外国人従業員を対象にしたマネジメントスキル研修の企画・運営業務を経て、1993年より展示会事業のグローバル分野を担当。海外企業の日本市場参入を支援する。現在は研究・開発分野のシンポジウムや、セミナーのコンテンツ開発などに携わる。
監修:日本工業英語協会
エンジニアや研究者、技術分野の翻訳者に必須のスキルとして、技術英語の正しい理解と普及を図り、海外諸国との技術交流の円滑な発展に寄与することを目的に1980年に設立された。現在は内閣府認定の公益社団法人。主な活動は、文部科学省後援の工業英語能力検定、講習会、通信教育、出版物の刊行および調査研究など。