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HOME電子デバイスSCR大喜利 > ユーザーとサプライヤーに、上位発注者と下請けという序列があっては解決できない

SCR大喜利

ユーザーとサプライヤーに、上位発注者と下請けという序列があっては解決できない

リコールリスクと向き合う半導体事業【湯之上 隆氏】

  • 2014/12/25 00:00
  • 1/2ページ

 自動車用、医療機器用といった高度な安全性が求められる応用でのリコールリスクという、半導体業界にとっての新しい課題について考えるSCR大喜利。今回の回答者は、微細加工研究所の湯之上 隆氏である。

湯之上 隆(ゆのがみ たかし)
微細加工研究所 所長
湯之上隆(ゆのがみ たかし) 日立製作所やエルピーダメモリなどで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、雑誌・新聞への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。

【質問1】技術にかかわる部分、事業体制にかかわる部分で、半導体メーカーがリコールリスクに備えて見直すべき点はどこか?
【回答】半導体が使われるシステム(機器)の全体最適化

【質問2】顧客との関係の側面で、リコールリスクに備えて見直すべき点はどこか?
【回答】工業製品に「絶対安全」はありえない

【質問3】リコールリスクを、むしろ半導体メーカーの商機にした製品・サービスはできないか?
【回答】 「常時ON」、「常時センシング」、「常時接続」

【質問1の回答】半導体が使われるシステム(機器)の全体最適化

 Intel社は、どこよりも早くパソコン用のプロセッサーに、High-k/MetalゲートやFinFETを量産適用してきたが、これについて次のような話を聞いたことがある。

 例えば、ファンドリーがFinFETを使った最先端プロセッサーを開発し、動作を確認して出荷したとしても、それがパソコンの動作を保証しない。ボードレベルでトランジスタを最適化しないと、パソコンはきちんと動作しないというのである。その結果、最先端のプロセッサーは、ファンドリーメーカーとパソコン・メーカーの間で、行ったり来たりを繰り返す。Intel社には、このようなロスがなく、最適化されたプロセッサーを早期に出荷できるという。

 このように、半導体チップというのは、それが組み込まれたシステム(機器)を、所望の通り動作させるための部品である。したがって、半導体チップ自体が正常に動作したかということよりも、チップが組み込まれたシステム(機器)が正常に動作するか否かが重要である。このようなことから、リコールリスクのためには、半導体チップだけを見直してもダメで、それが組み込まれたシステム(機器)全体の仕様と設計から見直す必要があるだろう。

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